楽しいお墓

先にお墓に入ってて欲しいここだけの話

はじめに

20代になった時、自分の人生を生きたくなった私が家を出るとあっさり家族は解散した。
家族の仲を取り持たされているような所があったので、そうなるような気がしていた。でもそのあっけなさは今までの私の生き方を否定するには十分で、いつからか抑えていた感情は怒りとして吹き出すようになった。

10代でもないのに、親や育ってきた環境のせいにして自分を憐れむのはださいと思う。
それでも自分の中に消化できない怒りが溜まっている自覚があって、それがこれからの人生の中で誰かに向いてしまうのが怖い。
家族なんかこりごりだと思ったのに、結局私は結婚し、今妊娠している。
今私は幸せなのかもしれない。そしてこれから先が本当に怖い。

生まれてくるこどもが、怒った母親に太ももへ鉛筆を突き刺されるかもしれない。道ですれ違ったのに他人のふりをされたり、ベランダに締め出されて低体温症になったりするかもしれない。そんなことされて怒って良かったのに、何も言わずに許してあげたりするかもしれない。
そんなのは絶対にだめだ。

日常の中で何かをきっかけにこどもの頃のことや人に言われたあれこれを思い出し、急激に怒りが湧いてくることがある。「怒りを反復する癖がついてしまっている」と本で読んだことがある。
対人職でこれはとても生きづらい。

怒りを成仏させる必要があるんだと思う。一方的にこんな話を、身近な人にするのは暴力に近い気がするのでずっと人にも話さないできた。
ここに書くことで怒りを供養して、私の家族が自分の人生を大切に生きられるようにしたい。


母が呪いのように言う言葉がある。
「大体親と同じような人生になるからね」
そんなことがあってたまるかよ。